-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー

皆さんこんにちは!
合同会社HENT、更新担当の中西です。
~変遷~
観光が大衆化する以前、客室清掃は「女将の目」「仲居の所作」に象徴されるおもてなしの一部でした。
基準は口伝・経験に依存し、道具もモップや羽ぼうき中心。客室数が少ない分、手仕事の丁寧さで品質を担保していました。
団体旅行・ビジネスホテルの拡大で回転率が最重要に。
チェックアウト〜チェックインまでの「※ターンダウン/ターンオーバー」を分単位で標準化
清掃手順書・チェックリスト・ダブルチェック導入
カート・工業用洗剤・業務用掃除機の普及
“同じ品質を早く”が合言葉になり、分業と工程設計が進みました。
運営の効率化が進み、客室清掃は**外部委託(BPO)**が主流に。
SLA(サービスレベル合意)で品質を数値管理
ISO的な手法や5S・可視化ボードで現場改善
苦情分析やミステリー監査で再現性のある品質を追求
清掃は「コスト」から「ブランド体験の土台」へと位置づけが変わりました。
インバウンドと宿泊形態の多様化(長期滞在・ホステル・高級ブティック)により、
ベッドメイクの国際標準、アメニティ補充、リネン品質の細分化
連泊時のエコ清掃(必要箇所のみ)やタオル再利用の促進
PMS/ハウスキーピングシステム連携で空室状況をリアルタイム管理
“同一手順・多様な期待値”を両立する運用が求められました。
パンデミックを契機に、清掃は宿泊選択の決定因子に。
高接触部位(リモコン・スイッチ等)の明示的消毒
客室換気の標準手順化、作業者のPPE(個人防護具)
清掃完了の可視化(封印・アプリ通知)
時間短縮より衛生手順の遵守が優先へ
清掃は“裏方”から“安心の証明”に役割が格上げされました。
人手不足を背景に省人化×品質維持がテーマ。
自律走行の床洗浄ロボ、UV除菌機、静音掃除ロボの夜間運用
モバイルアプリでタスク配車・進捗可視化・写真報告
センサー×PMSで室内滞在検知→最短で清掃着手
苦情・破損・消耗データを学習し、在庫・人員配置を最適化
“清掃=作業”から“運用デザイン”へ。
ウォーターセンス:超音波ミストや適量洗剤で水・化学剤の削減
リネン戦略:連泊エコ清掃の選択制、サプライチェーンでの再生繊維
スタッフの安全と成長:人間工学ツール、リフト補助、教育のeラーニング化
ユニバーサル清掃:嗅覚過敏・アレルギー対応、香料レス選択
清掃はESGの“E(環境)”“S(人)”両面で価値を生み続けます。
〜1970s:おもてなしの延長=手仕事の品質
1980–90s:標準化・分業・高速回転
2000s:外部委託+SLAで品質を数値化
2010s:インバウンド対応、PMS連携、エコ清掃
2020s:衛生至上主義、見える化、信頼の証明
現在→未来:ロボット&DX、サステナブル運用、スタッフのウェルビーイング
高接触リストの定点観測:部位別不具合率を可視化→教育に反映
スマホ報告の標準化:ビフォー/アフター写真+チェック項目で属人化を解消
需要予測×勤怠:到着便・イベントデータと連動し、清掃班の開始時刻・構成を前日最適化
ホテル清掃業は、
おもてなしの延長から始まり、
標準化・外部委託・国際化を経て、
衛生の可視化・DX・ロボット・サステナブル運用へ──。
今や客室体験の“最初の評価軸”であり、ブランド信頼の根っこです。
見えない仕事が、宿の価値を見える形にする。 その進化はこれからも続きます🧹🛏️🌍